収蔵品展
場所と記憶
永岡大輔 x 千葉奈穂子
山形にゆかりのある現代作家による写真と映像を紹介します。
山形市に生まれた永岡大輔は、一枚の紙の上に鉛筆によってイメージを描いては消す行為を記録した映像によるアニメーションを制作しています。消すこと/描くことの反復は、忘却と記憶とが並存し、その関係のズレが繰り返されることで、観るものに時間と場所や想像力の飛躍をもたらします。近年では北海道夕張市や青森市に長期滞在し、その土地の歴史や風景と記憶のイメージが揺れ動くような作品を発表しています。
岩手県出身で現在酒田市在住の千葉奈穂子は、サイアノタイプ(日光写真)という、太陽の光で像を青く焼き付ける初期の写真技法を用いて、長年にわたる家族の家の撮影や、東北の町に暮らす人びとの現在の思いや記憶をつづる作品を中心に発表しています。
永岡大輔の作品が作家の記憶にある場所や人物にもとづく物語的なイメージとするならば、千葉奈穂子のサイアノタイプは、レンズが捉えた具体的な場所や事物がもたらす記憶といえます。二人の作品に共通するのは、個別的な記憶から場所の特質を浮かび上がらせることといえるかもしれません。人類最後の人間は何を見るでしょうか。そして場所の喪失は記憶のなかに保たれている事柄をも不在にしてしまうのでしょうか。
本展が、現代に生活するわれわれが過去と未来を想像力によって結びつけるきっかけとなれば幸いです。
会期・会場 | 2016/10/14日(金)〜10/30(日) 山形美術館1階 第1,2展示室 |
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開館時間 | 午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 10/24(月) |
入場料 | 一般 800円、高大生 600円、小中生 400円 同時開催の「統一山形誕生140年 絵画と写真にみる山形の近代」展と統一料金 「東北文化の日」の一環として土曜日と10/30(日)は中学生以下無料 20名以上の団体は各2割引、身障者手帳をお持ちの方と付添者1名は半額 |
主催 | 山形美術館、山形新聞、山形放送 |
共催 | 山形県、公益財団法人山形県生涯学習文化財団 |
後援 | 山形市 |
永岡大輔《もうひとつの穴》より(株式会社オーラルケア所蔵)
永岡大輔《もうひとつの穴》より(株式会社オーラルケア所蔵)
永岡大輔《最後の観測者》より(株式会社オーラルケア所蔵)
永岡大輔《最後の観測者》より(株式会社オーラルケア所蔵)
永岡大輔《千年燃え続ける炎と8分19秒前に消えた星》より(株式会社オーラルケア所蔵)
永岡大輔《千年燃え続ける炎と8分19秒前に消えた星》より(株式会社オーラルケア所蔵)
千葉奈穂子「父の家」シリーズより《実り・はせ小屋》 2005
千葉奈穂子「父の家」シリーズより《遠野道》 2007
千葉奈穂子「父の家」シリーズより《幻夢》 2007
千葉奈穂子「父の家」シリーズより《焚火》 2008
千葉奈穂子「父の家」シリーズより《石と語る》 2011
関連イベント
【永岡大輔 × 千葉奈穂子 アーティストトーク】
2016年10月16日(日)13:30〜
※展覧会入場者は参加自由
【ギャラリートーク】
2016年10月23日(日)14:00〜
※展覧会入場者は参加自由
協力:山形大学大学院地域教育文化研究科